石田淳一   Junichi Ishida




画家。1981年生まれ。埼玉県立大宮光陵高等学校、日本大学芸術学部卒業。土屋文明に師事。油絵の具を使い、主に静物画を描く。モチーフとなるモノを眼前にして制作する事へのこだわりがある。

眼で触る様に視て、塑像を造形する様に絵の具を重ね、『絵らしい絵』を描きたいと思っています。
自分にとって、関わったモノとの間に『生じた関係』、その『距離感』は決して測りきれるものではありません。絵を描くことでその関係を伸縮させて、結局はその距離感を自分の納得できる地点に落とし込むようにしている気がしています。

絵を描いてゆくなかで、モチーフたちの変化する表情、私自身がその時々に欲した事、思い感じた事をこの目の前に召喚する様な気持ちで絵の具を重ね直します。そしてその行為そのものの『手応えから来るリアリティ』は、必ずしも一枚の絵を写実的な絵画として成立させる意味での進行度合いとは共存してくれない事が多分にあります。むしろ邪魔をする場合もあります。

しかし、敢えてその時々の矛盾へ向き合う事が『自身の信じる絵』に近づく様に思えます。そして何より、これらは一見すると無駄の多い行為であり、ここにこそ表現に厚みや奥行きを与えてくれる要素が潜むと私は信じています。
物を眼前にして、自己の思想と絵を描くという行為から来る体感(リアリティ)を物質である絵の具とキャンバスに定着させたいのです。

どこか追いつかない様なスピード感を纏う時代だからこそ、この無駄にも見える行為そのものが底から鈍い光を放つ瞬間を信じ、願っています。

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