石田淳一展 - Still life - 2018









(永善堂画廊 9/19-9/28)









(画室内、制作風景)









(個展挨拶)

Still life

 

 私にとって絵を描くという事は自身と物事との物理的、心理的な『距離感』を観測し、手探りによって適切な位置に自分と物事を置く様な感覚があります。とりわけ静物画というものは最もそれを体感できる様に思えます。アトリエに射し込む陽光に包まれるモノたちを眼前に、キャンバスに絵の具を重ね直す毎日ですが、その都度、過去、未来を挟んだ今の『在り方』や、『時間』について思いを馳せることがよくあります。静物画に描かれるモノが、その『裏に佇む要素』を想起させます。静物画のモノたちはそんな制作中の『心の自由』を受け入れてくれる懐の深い存在です。
  今の時代に限った事ではないと思いますが、近年は物凄いスピード感で物事が進んでいると感じられます。その中で自分はどの様に向き合うのかを問う様な制作を心掛けています。何より『自身にとってのリアリティ』(頭忙しく泥臭くても良いから眼前のモノたちとの対話の中で絵を描くこと)を大切にしたいと強く思っています。
  私の絵の前にお立ち下さる方にもその方ご自身の映し鏡になれる様な絵が作れることが理想です。どうか御高覧を賜ります様、宜しくお願い申し上げます。


2018年9月
石田 淳一

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