絵描きは基本的に絵を描く事自体はアトリエで完結するものですが、絵を描く為のインプットが必要です。また、描いた絵を発表する事までが仕事と言えます。それらは時に外出を要するものですが、それを抑えて自粛をする事が今は結果的に自他にとって有益であり、かつ社会倫理に則った選択である事は間違い無いと思われます。
そんな時、同業の知人友人は元より様々な分野での自粛が様々な仕事をされる方々に与える影響を思うと、やはり他人事では無いのだという思いを抱きます。また、そんな中、ライフラインを護って下さる方々、医療等に従事されている方々を思うと、どこか申し訳無さと共に有り難さを覚えます。
身近な事に憂慮する時、更に自分のコントロールの及ばない場所に向けた憂慮は思いの外、感情の起伏が生じてエネルギーを要するものだと思います。ですが、こんな時こそ想像力を発揮する事は大切な気がしています。
感情と思考は整理する事が本当に難しいと思います。感情と思考の整理のつかないままに力任せに叩きつければ対象の相手は理解する事から一層遠去かる様に思えます。
感情が溢れる事は人として自然な事だと思いますが、そのぶつけ方や時と場所は、一呼吸置いて選ばなければ、自他を壊してしまいます。とはいえ、感情と思考の絡まり合いにも理由があり、無視されるべきでも無いと思います。思いは大切です。それを伝える為にはせめて一呼吸置かなければ勿体無い事になるのではないか、想像力が働けば、相互にとってより良い方向へ進む為のきっかけになるのではないか、そんな風に思えてなりません。勿論、立場も環境も異なれば、それこそ人の数が多ければ多い程に利害は散らかってしまう事もあるとも思えます。ですが、外へ向かっての少しの想像力は自他の前進の為にもなるはずです。
自分の立場が、誰かの痛みが、気持ちの整理が、気付きを与えてくれる様にも思います。それが新しく想像力に加わり、延いては思いやりに繋がると僕は考えています。
とにかく、出来る事をする。今少しの想像力をなるべく働かせて。
今そんな風に思っています。