久しぶりに明け方まで絵に向き合っていて、色々思い、考える。努力は自身の決意、覚悟に敬意を払う行いだと思っている。その結果も極端ではあるが、やはり失敗と成功の二つしかない。だが、その努力を経る事で、どちらになってもそれを受け止める(自分の糧にする)その後の自分を呼び込めるのだと言える。物や事、時と場合によるけれど失敗をして学び、成功して反省をする。
さて、画面効果として盛り上げた作業で出来た絵の具層の場合なら話は別になるが、長い時間をかけて確かめながら重ねて来た絵の具の層を削り取る時の気持ちたるや、形容し難い何とも切ないもので、、、それでも見越した先にある理想の為に、その絵の為には仕方がない。削り取る事は無かった事(リセット)にするのではなく、『重ねて来た体験を元手に』更なるその自分の抱く理想へ立ち向かい、絵の具をまた積み重ねていく為の祈りでもある。側から見れば愚鈍な行為であろう事は解る。それでもここを避ければその愚鈍な行為にも劣り、糧になる物は何一つ残らないだろう。そう思って深夜に絵の具層を削る。毎度の事ながら、思う以上に完成は遠い。もっとも、完成とは何を以って決まるのかは、それもまた定かではない。遠く、遠く、遠い。
多分、絵を描きながら深夜に考え込む今日みたいな日は自分には必要だと思っている。でももう寝たほうが良いに違いない。